毛巣洞を患って手術しなかった私の体験談!再発する?放置してもいいの?

毛巣洞という病気にかかり悶絶した経験を語りたいと思います。

もうかれこれ10年以上前の話ですね。

比較的めずらしい病気だと思うので、馴染みのないかたも多いと思います。

正直、なかなかめんどくさい病気です。

重度になると、私生活に支障をきたしまくりです!

この毛巣洞に苦しんでいるかたがいらっしゃったら、少しでも参考にしてもらえたら幸いです。

知らない方は、こんな病気なんだとわかってもらえればと思います。

毛巣洞とは?

毛深い体質で若い男性に多く見られ、ジープに長時間乗る米軍兵士などに多く見られることから別名ジープ病(jeep disease)ともいう。しかしながら、稀にだが毛深くもない人にも見られることがある。この病気自体が稀でもあるので、一般にはあまり周知されてはいない。

私が診察を受けた医師からは、

「体毛が皮膚の下にめり込んで、炎症を起こしている」

「その炎症によって腫瘍ができてしまっている」

と説明を受けました。(すこし記憶が曖昧ですが)

ちなみに、粉瘤という似たような病気があります。

私がはじめに受診してもらった病院では、この粉瘤と診察されました。

症状が似ているみたいなので、少し紛らわしいのかもしれませんね。

おしりの割れ目の上あたりにできた粉瘤らしきものは、毛巣洞を疑ってみてもいいかもしれません。

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毛巣洞の症状

ふつうはお尻の仙骨部(尾底骨の正中部分、割れ目の上側)が圧迫されることによって、体毛が毛穴の中に入り込んで皮膚の内部で瘻孔(ろうこう、sinus)を形成し、炎症を起こす感染症である。皮膚の表面には嚢腫(袋状の腫瘍)が形成され、瘻管から膿が出ることが多い。腫瘍が形成されている間、本人は日常生活(椅子に座る等)が困難になるほどの痛みを伴う場合もあり、この腫瘍そのものは時間が経つと小さく、または破損し膿や血を出すが、また時間が経つと腫瘍が形成されるといったことを繰り返す場合も多い。

毛巣洞を患ったときの経験談➀

はじめて症状を自覚したのが高校生の頃でした。

なんかおしりが痛い。

そして、定期的に血が出る。

血が出てきたら患部にティッシュペーパーをあててオムツのようにしていました。

そんな感じでやり過ごしていたというか、放っておいたんですよね。

なんだかんだで、それでなんとかなっていたわけですから。

ところがある日、おしりに感じたことのないような違和感がありました。

「なんか今までと違う?」

そんな気がしていましたが、とりあえず何日か様子をみることにしました。(悪くいえば放置ですw)

次の日、やはり違和感があって、お風呂にはいったときに違和感があるところをさわってみたんです。

すると、触れたところにはビー玉くらいのしこりがあり、そして触れると少し痛みます。

それでも、まだ様子をみることにしました。

記憶が曖昧なところがあるのですが、おそらく病院でおしりを見せるのが恥ずかしかったのでしょう。

そしてさらに次の日、しこりが昨日よりも若干大きくなっていて、しかも痛みも増しています。

でゆうか、かなり痛い!

当時、立ち仕事のアルバイトをしていたのですが、この日はアルバイトの日でした。

なんか嫌な予感がしました。

心配していた通り、仕事中は激痛でした。

歩くときはもちろん、少し動くだけでもしこりに衣服が擦れて痛い!

なんとか激痛に耐えて仕事を終えた後、ついに観念して病院へ行くことにしました。

想像を絶するほどの地獄が待っているとも知らずに・・・!

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毛巣洞の治療方法

外科手術(毛巣洞根治術)は、患部を切開して瘻孔を完全に摘出し、縫合してガーゼで圧迫して、排膿させる。術後10日ほどで抜糸すれば2週間ほどで治ることが多いが、雑菌に感染したり、再発することもある。切開・排膿で治らない場合は、消毒しながら肉芽組織が盛り上がるのを促進し、1~2か月で治癒する。

毛巣洞を患ったときの経験談➁

あまりの痛さに耐えられず、病院に行ったのですが、そこでトラウマになってしまうほどの地獄を味わいました。

夕方だったので大きな病院へは行けず、行った病院は町医者的なところ。

診てくれたお医者さんは、けっこう年配な人でした。

診断の結果は「粉瘤(ふんりゅう)」とのことでした。

※毛巣洞と粉瘤は症状が似ているので、専門医でないと判断がむずかしいのかもしれません。

以下、粉瘤の症状です。

初期の状態では皮膚の下にしこりが見られるにとどまり、皮膚表面上は症状が現れないことが多いため、自覚することは少ないが、経過すると次第に肥大化する。

粉瘤と診察された後、有無を言わさずおしりを出したままベッドに寝かされました。

「はい、じゃあ膿を出すからね」

後ろのほうでお医者さんが言いました。

(は?)

何をされるのか全くわからなかったので、寝そべったまま後ろを振り向くと、、

なんかメス持ってるんですけど!!?

(ちょっと待って!)

めっちゃ体に力が入りました。

横に看護師さんが付いてくれていて、

「ごめんね、ちょっとだけ我慢してね」

とか言ってくれていた記憶はある。

そこからは、地獄!!

まず、麻酔なしでおしりを切開。

当たり前ですが、めちゃくちゃ痛い!!

そしてさらに、切開したところから膿を出すために患部を思いっきり押す!!

少しでも衣服が擦れるだけで痛かった部分をですよ!?

ぎゅううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅううっと!!

膿を残らず出し切るまでずぅぅぅぅぅっと。。

「指圧かよ!」

とツッコミはしませんでしたが、まあでも本当にそんな感じでしたよ。

もちろん悶絶!!

そのあと、切開した傷口が閉じないようにガーゼを詰められるのですが、(新たに出てきた膿を排出させるために)

それも地味に痛い!

もう一度いいますが、これが完全にトラウマになってしまいました。

「もう二度とこの痛みは味わいたくない!」

その思いはずーーーーっと続きました。

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毛巣洞は再発するの?

再発率が高く、術後1年間で2~3割ほどの高確率で再発する可能性がある。再発後は、腫瘍形成前の比較的早い段階で発見が出来れば、簡単な外科手術で取り除くことが可能な場合もある。

毛巣洞を患ったときの経験談➂

前回、地獄を味わってから何か月かすると、また腫れてくるようになりました。

最っっっ悪です!!

でも、もう病院へは行きたくありません。

何をされるのかわかっていましたからね。

なんとか対策はないかと悩んでいると、母から「祖母の家から化膿止めにいいという漢方(のようなもの)があるから試しに飲んでみれば」と提案されました。

もう藁にも縋る思いだったので、早急にその漢方を送ってもらい飲んでみることにしました。

そして、試しに飲んでみると、これが意外と効いたみたいで、徐々に腫れがひいていきました。

(こ、これは・・・)

その後も定期的に腫れてはくるのですが、漢方を飲んでは腫れが引いていくのです。

(これはいける・・・のか?)

不安な気持ちは常にありましたが、一応なんとかなっていることに安心していました。

そんなこんなで、腫れては漢方を飲んで、腫れがひいてというのを何度か繰り返していました。

しかし、悪夢はとつぜん襲ってくるのです。

毎度の如く腫れてきたので、いつもどおり漢方を飲んだのです。

が!!

腫れが引かない・・・!?

いつかはくるとは思っていましたが、漢方をいくら飲んでも腫れはひかないんです。

でも、、、

前回、病院でされたことがトラウマとなってしまって病院へは行きたくない!!

なんとか腫れがひかないかと思い、漢方を飲み続けて様子を見ることにしました。

しかし、腫れは全くひく気配がありません。

それどころか、

どんどん腫れが大きくなっていきます。。

だけど、病院は行きたくない!!

だけど、どんどん腫れていく!!

腫れが大きくなれば、その分おしりの肉が拡張されていきます。(腫瘍に押しやられるっていうのかな)

これがめっちゃ痛い!!

腫れていくにつれて、患部周辺が「ミシミシ、ミシミシ」と痛むんです。

もう、ここまでくると普通の私生活を送れるわけもありません。

最終的に、腫れもテニスボールくらいの大きさになり(マジで)、患部の腫れている部分も内出血を起こして青いあざがでしてしまいました。

ここで、ようやく観念して病院へ行くことにしました。

ですが、

「同じところで診てもらったら確実に同じことをされる」

と思って、選択したのは別の病院。

比較的近所にあった総合病院の皮膚科でした。

診てくれたのは、50代くらいの女性の先生でした。

診察の結果は「粉瘤」ではなく「毛巣洞」とのことでした。

そこではじめて「毛巣洞」という病気を知りました。

そして、粉瘤よりもだいぶ厄介であるということも。。

で、もちろん膿を抜くという話になるわけです。

このとき提示された方法は、でっかい注射器をぶっ刺して、注射器で膿を吸い出すというものでした。

(嫌や!)

ぜったい痛いに決まっています!

もう、前回の処置がトラウマになりすぎて、本当に嫌だったんです!

なので、前のときとは比にならないくらいパンパンに腫れていたにも関わらず、

「なんとか痛みがなく処置できないでしょうか…」

という超絶へたれ状態で医師に懇願しました。

もう恥とかどうでもいいんですよ。

その結果、抗生剤を飲んで自然に排膿するのを待つという選択肢を提示してもらいました!

まだパンパンに腫れた状態が続くので私生活は不便ではありますが、あのときの痛みに比べたら、そんなの屁みたいなものです。

なので、迷わず「自然排膿を待つ」という選択しました。

その後の経緯ですが、処方してもらった抗生剤を飲んだら、わりとすぐに炎症が収まりました。

ちなみに、炎症が収まるとどうなるかというと、パンパンに固く腫れあがっていた患部がだんだんプニプニしてきます。

それと同時に痛みも収まっていきます。

その後、しばらく様子をみると(2日ぐらい?)、今度はおしりの割れ目の上くらいの位置の皮膚がぷくぅっと膨れてます。(直径3ミリくらい?)

さらに様子をみると、そのふくれ上がったところから膿が出てきます。

あとは、患部を押して膿をすべて絞り出します。

私は排膿するところにティッシュペーパーをあてて、膿を出してはティッシュを交換するを繰り返し行いました。

私の場合、最終的に患部がテニスボールくらいに腫れ上がっていたので、膿の量もかなりのものでした。

膿の色は、黄色と赤黒さが混ざった感じでした。

そして、膿は臭いです。

独特な臭いですね。

ですが、私が特殊なのかもしれませんが、臭くてもなんか嗅いでしまうような臭いなんですよね。。

そんなこんなで、膿をすべて絞り出し終えると、今までツラかったのが一気に楽になります。

で、そのあとどうなったかというと、、、

やっぱり何か月するとまた炎症が起こってくるんですよね。。

一応、医師からは手術も勧められました。

再発する可能性はあるものの手術して、腫瘍を切除ほうがしばらくは安心とのこと。

あと、永久脱毛も勧められましたねw

悩みましたが、手術は最終手段ということで保留することにしました。

その後も何度か腫れることはありましたが、炎症が軽度な場合は、抗生剤を飲めばで収まりました。

以前、腫れたときに漢方を飲んでいたような感じですね。

当たり前かもしれませんが、抗生剤のほうが漢方よりも効きます!

なので、可能であれば、理由を話して多めに抗生剤を処方してもらったほうが安心かもしれません。

その後、1度だけテニスボールぐらい腫れたことがありましたが、前回の腫れでおしりの肉が拡張されてしまったせいか、前回ほど痛みはありませんでした。

このときも、前回と同じく自然排膿するまで待ちました。

それから時は流れ、かれこれ10年以上経ちますが、全く腫れなくなりました。

手術をしないまま、再発せずに今に至りますね。

なので、手術をしなくても10年以上再発しない場合もあるということです。

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毛巣洞の再発防止に脱毛は有効か?

毛巣洞と脱毛についてです。

当時、私も皮膚科で永久脱毛を勧められました。

はたして、脱毛は毛巣洞の再発防止に効果があるのでしょうか?

調べてみると、専門医が毛巣洞と脱毛について触れられていたので紹介します。

ムダ毛はあっても通常は健康上は問題ないのですが、時々、病気の原因になることがあります。

一つは毛巣洞と呼ばれるもので、毛が皮膚の中に入り込み、そこで成長し、炎症を起こす疾患です。
お尻の割れ目や脇など、毛が擦れたり、圧迫されやすいところにできやすく、粉瘤やせつなどと間違えられやすい疾患です。

ムダ毛が皮膚の中に入り込んでしまうと、異常なほど長くなり10cmほどになることもあります。そのムダ毛の周りに炎症を繰り返し、そこに瘻孔と呼ばれるトンネル状の通り位置ができてしまいます。
さらにそこに炎症が起こり膿がたまると、膿を排出しようと、トンネル状の道が増え、しまいにはアリの巣状に複雑な構造となります。

(中略)

これはお尻の割れ目や脇のムダ毛が原因なので、治療後は再発予防のためレーザー脱毛をオススメしています。

仙骨部毛巣洞は殿裂部(おしりの割れ目の腰側)に生えている毛が、皮膚に突き刺さり皮膚の下に毛が塊となって巣を作る病気です。

(中略)

完全に治すためには、毛が皮膚に入り込んだところを含めて一塊に切除することが必要です。

(中略)

その後の再発予防のために術後の脱毛を薦めています。

というように、ほかの専門医も毛巣洞の再発防止のために脱毛を推奨していますね。

なので、毛巣洞の再発防止のために、脱毛は有効と考えていいのではないでしょうか。

体毛が濃くて悩んでいるのあれば、ムダ毛処理と毛巣洞の予防が同時にできる脱毛はなかなか魅力的ですね。

毛巣洞の排膿に「たこの吸い出し」軟膏は有効か?

割と有名な商品だと思いますが、「たこの吸い出し」という軟膏が薬局などで売られています。

この「たこの吸い出し」は、患部に塗ると腫れものの口を開いて膿を出してくれるというもの。

私の場合、腫れがひどかったときに、ネットで見つけて藁にも縋る思いで購入した記憶があります。

では、毛巣洞の排膿に「たこの吸い出し」軟膏は効くのでしょうか?

結論をいうと、全く効果がありませんでした。

部分的に皮膚が厚いせいなのか、手応えすら感じられませんでした。

なので、私はお勧めしません。

試しに使ってみてもいいかもしれませんが、期待はしないほうがいいです。

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まとめ

というわけで、ざっと毛巣洞の闘病経験を語らせていただきましたが、いかがだったでしょうか。

毛巣洞を患うとどれだけめんどくさいか少しはわかっていただけたのではないでしょうか。

それと、現在「毛巣洞」を患っているかたには、手術を受けなかった人の事例として参考にしていただけたらなと思っています。

私が言いたいのは、手術を受けないほうがいいということではなく、「手術をしなくてもなんとかなった人もいる」ぐらいにとらえてほしいです。

正直、再発するかしないかは、人によって違うと思います。

私の場合、患部がパンパンに腫れ上がる状態になったのが3回。

軽度なもので、漢方や抗生剤を飲んで炎症が収まったものなら、10回以上あります。

手術を受けていれば、もっと再発の回数は少なかったかもしれませんし、もしかしたら1度も再発しなかったかもしれません。

私も、炎症が起こっているときは「手術したほうがいいのかなぁ」とは思うんですよ。

でも、いざ腫れがひくと「怖いし、いろいろ面倒だからやめよう・・・」という気持ちになってしまうんですよね。。

そんな感じでこの病気と付き合ってきた感じです。

簡単に言うと、手術を受けなかったのは、

私が超絶へたれ

だったからなのかもしれませんね。

とはいえ、もう10年以上炎症が起こっていないので、再発の心配はほとんどしていません。

もう大丈夫っしょ!

と思いながら生きています!